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2007年03月28日(水)03:00  最近のオラ
どうも右手番長です。
最近はなんか業界でモテモテ(南米の珍獣に非ず)だったり、クルマがリコール級のすごい事になってしまったり、色々ありました。

で、宇宙船の方はその合間にスローペースで進めており、テクスチャがほぼ完成。
あとはデータとしての仕上げとライティングをして、これにまつわる作業は大体終わり。

あとはサイトのSPAM対策をなんとかしたり、いよいよ休みに入ったりしたいです。
とにかく休みたいです。
休みたいです。


2007年03月20日(火)21:25  法線マップの秘密と弱点
職業上の理由で、今日は法線マップについて検証してみました。

以前からの経験で、法線マップで毛を表現するのは難しいという事は分かっていました。
で、「どうしてどのように難しいのか」「どうすればいいのか」が今日のお話です。

■問題点
例えば美少女の髪を法線マップで描くと、かなり解像度の高いものであっても、サラサラヘアになりません。
同サイズのカラーマップによる曲線の滑らかさと比べると、やけにギザギザした感じになります。これを解消する為には、現実的ではない大きな解像度のテクスチャが必要になりそうです。

また、このテクスチャに更に、筆先を連ねたような、部分ごとのボリューム感を法線マップで追加した場合、ギザギザになった毛の陰影で立体感が潰されて、筆先状の起伏が判別できなくなります。

■理由
グレースケールの1ドットの起伏が、法線マップでは上下左右の勾配情報に分解され、最低でも4ドット乃至は9ドットが必要になる為。
つまり、毛のような細い物を綺麗に表示しようと思ったら、通常のカラーマップの最低でも4倍、可能ならば9倍のサイズの画像を用意した方がよい事になります。

要は現実的なテクスチャ解像度で毛を表現する用途に、法線マップは向いていないという事になります。

■解決法
・法線マップでは、大まかな起伏のみを表現します。
 動物の毛の場合、遠目に見た場合のモカモカ感のみを法線マップで。
・そして毛の筋はスペキュラママップで表現します。
 (別途バンプマップが使えるなら、それも付加してみるべし)

スペキュラの強度や大きさを適切に設定すれば、視点の変化に応じて毛の筋が適切に輝き、法線マップで再現したモカモカ感と相まって、絶妙なフサフサ感が出せそうです。

いずれ海外に「毛」シェーダーなる物がないかどうかチェックするとして、ともかくこれでまた一歩法線マップを知ることが出来たというわけです。

グッジョブおれ。


2007年03月16日(金)21:20  ワークフローの完成・・・・?
grp0316222426.jpg 480×720 108K
どうも。
昨年から続いたビッグな案件が終わったら、一人旅に出ようと企んでおきながら、結局引きこもってPCの前に陣取っている右手番長です。
お隣の定年退職したご主人と日中顔を合わせる事も多いわけですが、先方はワタクシの事をどう思っている事やら。

さて、本日は各種焼付けが無事終わり、それらのソースから仮のダートマップを試しに生成してみました。

今回のワークフローでは、ダートマップ作製において以下二点が肝でした。
・ガンプラの白立ち上げやら黒立ち上げ的な表現を生成出来るか?
・凸部にボタン一発で、集中的にハゲチョロが分布されるように出来るか?

とりあえず大丈夫そうでした。
技法や分布したい箇所も、割と楽にアレンジが利きそうです。

これにてようやく、数週間前に思いついた脳内ワークフローが日の目を見たわけです。「出来るであろう」と思っていた事が、実際に「出来る」と実証されたわけです。

ちなみに本番では、以下のような作業を行います。
・まずは法線マップや凹凸マップの粗を除去(目立つ箇所のみ)
・汚れと表面処理を本番用に
・スペキュラマップや法線マップにダート情報などを追加

尚、汚れについてですが、
まず、宇宙には1立法メートルあたり数個の水素原子が浮かんでいるそうです。
通常、それは洒落にならないほどの真空である事を意味しますが、宇宙船が光速に近い速さで航行しているなら話は別です。
多量の隕石がガンガンぶつかっているかのようなダメージを受けると考えて良いでしょう。
それを避けるため、この宇宙船は前方にかなり長く、物質を弾く力場を形成する仕組みを備えていると想定しています。

また、宇宙では基本的に金属が酸化する事はありません。
つまり塗料が禿げた箇所に錆が発生しないという事です。

よって・・・・・あれ?無傷?
傷とか汚れが付かないのが正解?
やった、完成だヨ??
何もしないのが正解。動静一如。禅銃(ゼンガン)。


話は変わり、焼付けについてメモを。
最初はエンジン等5つ程度のパーツに分けて焼付けを行っていました。
しかしそれではその後のテクスチャ作りが面倒になるので、本日パーツを一つにまとめて焼付けを敢行する事にしました。その方が実機でのパフォーマンスも上がるし。

基本的には大きなサイズで焼き付けて、後から縮小する事で高い品質を維持したいと考えていました。

で、ひとつのパーツ辺り2048ドット以下のテクスチャを使っているので、ひとまとめにした場合4096ドットのテクスチャにすれば、以前よりややポリゴン辺りの解像度を上げることが出来ます。

が、結局、うちの環境(メモリ1.5ギガ)では
・100万を超えるポリゴン数のモデルを焼き付けるのは厳しい
・さらに4096ドットだと大きすぎて無理
・特にメンタルレイは上限が厳しい
という事で、2048の標準レンダで焼き付ける事に。

やや不満です。
CPUやビデオカードは現状でも大丈夫そうなのですが。
もし今後もこういう大きなデータを頻繁に扱うようであれば、64bit環境への移行も考慮せざるを得ないと思いました。


ともかく、本日急遽予定を変更して一枚にまとめたのは、結果としては良い選択ではありました。
これでようやくテクスチャ作りという名のお楽しみタイムです。

助かった。


2007年03月15日(木)20:35  今日のアレ
test070315.jpg 480×685 89K
法線マップの焼付け完了。
上半分がそれを適用したローポリモデルです。
単なるローポリでは無理な艶やテカリが再現できているのではないかと。

焼付けのポイントとしては、
・レンダリング設定でアンチエリアシングを設定すると、焼き付け時の
 ゴミが多少緩和される。しかしスーパーサンプラーは効いてないっぽい。
・メンタルレイでの焼き付けも綺麗な結果を生む。
・そして、細かなゴミは気にしない事に。

これまでのゲームデータ製作では、ゴミはあってはならない物と考えて、狂ったように綺麗に綺麗に仕上げる方向でやってきましたが、これからはあまり細かい事を気にし過ぎても仕方ないのではないか、と、少し発想を転換しようという気になったのです。
ゴミの全てを手作業で丹念に除去する発想を捨て、「機械的なワークフローの中でゴミの発生を抑えてゆく」という方向で段取りを組み立てるのが次世代マインドではないかと思いました。


さて、下の汚い画像ですが、これは乞食です。
英語で言うとベガーです。
ウソです。

モデルの凹凸情報です。
これとAO情報を元に、カラーマップの表情をつけたり、ダートマップを作ったり、カラー情報と掛け合わせてスペキュラマップを作ります。

・・・・まだまだ終わらないですね。
おかしいですね。

ともかく明日は凹凸情報をテクスチャとして抽出する作業です。
がんばりましょう。


2007年03月10日(土)01:03  まだ完成しやがらない
test070308.jpg 480×326 45K
くそう、連邦のモビルスーツはバケモノか。

というわけで面取り作業中です。
今日中には終わらせたかったのですが。
大半のパーツはサクサク行けるのですが、稀に発生するメッシュスムーズ適用時の形状の崩れを修正するのに、非常に時間が掛かる事があります。

この辺りは、もっと経験を積んでメッシュスムーズのクセを理解して対処策を確立していくしかないですね。

尚、パーツの角がよく見るとなだらかでない箇所もありましたが、法線マップを生成して検証した結果、別にその精度で問題なさそうなので効率アップの為に気にしない事にしました。
他にも、もしかしたら「気にしなくて問題ない」=「作業が減る」部分があるかもしれません。
本当に経験は大切です。

ちなみに法線マップですが、ソースとターゲットの対照を
近接判定にした場合は
・ケージ有りだとソース/ターゲットの交錯部が削げ落ちる
・ケージなし(オフセット)だとUVの継ぎ目に修復不能なゴミが出る
・かといって「作業モデルを含む」設定だと「遠方」の場合と違い、ソースモデルがなかったのと同じ事に。

「遠方」だと複数のパーツをアタッチしたメカ物の場合、余計なパーツまで焼き付けられてしまうようなので、結局「近接」で、「ケージ有り」をベースに、欠けた箇所だけ「ケージなし」の画像で補填する形で行くしかなさそうです。

来週中には完成させたいわけですが、ともかく今回のモデルは、検証用としては構造が複雑過ぎました。

が、これが済んだらパイロットやらロボやら宇宙人やら、作ってみたい物は一杯あるわけで、ともかく経験を積んで、作業手法に合ったデザインをして楽する方向で行きたいです。

・・・・・・数年前に買ったゼットブラシも、そろそろインストールしたいです。


2007年03月07日(水)21:26  まとめ02
1.メッシュスムーズ適用の際は「マテリアル」のチェックを外すと
 引きつれが低減される。
 通常、この状態だとマテリアルが大きくはみ出し問題となるが、
 今回は法線マップを抽出するだけなので問題なし。

 マテリアルで区別したスペキュラマップのベースも、ローポリから
 抽出するから問題なし。

2.ネジは別途面取り。
 また凹みはR面取りスクリプト二回適用で縁取りが不要に。
 部分的に引きつれが残るが、その様な箇所は基本的に角の頂点が
 ひとつだけなのが問題。
 頂点面取りで二つに増やす、R面取りスクリプトの適用などで解消。

3.R面取りスクリプトと標準のエッジ面取りでは結果が微妙に異なる。
 R面取りの方は選択していないエッジも安全を見越して分割される。

 エンジンの場合、0.1でR面取りを適用するのが安全そう。

段取りとしては
-------------------------------------------
a.ネジと窪みを外す
b.全体にR面取り適用
c.窪みを戻し、小さい値で二度R面取りを適用
d.ネジに面取り後、本体に戻す
e.その後、上記引きつれ修正
-------------------------------------------
これで多少は話が簡単になった気が。

更にエッジへの面取りが、絶対値でなくて垂直なエッジに対する
パーセントで、食い込みが出ないように面取りしてくれる方法が
あれば最高。
それがあれば、ネジはずしと引きつれ修正だけで済むと思われる。

以上


2007年03月07日(水)19:38  ここまでのまとめ。
なんだかやる事が複雑になって知恵熱が出そうなので、現時点でのフローをまとめてみます。

pits&peaksとAOマップ:
マップ生成用ローポリモデルに『サブディバイド』モディファイア(サイズは2cm)を適用して、焼き付けを行う。
pitsとAOはそれぞれ別途生成してphotoshop上で合成。
・頂点ペイントでボカしたり、ランダム選択でノイズを加えたり、
 コントラストを調整するのも良し。この時点で見た目が決まるので慎重に検討。
・凸エッジに暗色を適用すると黒立ち上げ(白モビルスーツ向き)風に。
 但しphotoshop上でハイライト領域を調整して行った方が仕上がりが綺麗。
・サブディバイドだけならポリゴン数が少なく焼付けは軽快。

法線マップ:
やはり法線マップで角の丸みをつけないと、絵的にややチープな気が。
ハイポリモデルを用意するに当たっての障害は二点。
・本体と小さいパーツで、面取りの大きさを変えざるを得ない。
・ブール等で作製した窪みの周辺に、型崩れ防止用のエッジが必要。
・凹み箇所は角に頂点を追加しないと本体に食い込む。
・その他上記に類する型崩れは一点一点修正してゆく必要がある。

UV:
ペルトマップも使ってみた。「BE」ではなく「PE」。ぺると。
直線が曲がる為、メカ物には適さないが、使いでがありそう。
・結局フラット展開で問題なさそう。角度は60度程度で。

まとめ:
如何に効率良く角を丸めるかが焦点。
プリレンダならローポリのままmentalrayのラウンドエッジ適用で済む話なので、この手間は痛い事この上ない。
最終的なメッシュ割りは汚くなっても問題ない(レンダリング結果さえ問題なければ)ので、もう少し色々試してみたいところ。

ちなみに5日の画像はラウンドエッジ適用済み。
適用しないと角が冷たく尖って、かなりCGくさい感じになる。


2007年03月05日(月)10:56  中間報告02
test070305.jpg 480×360 47K
外観がかなり出来てきた。
着陸脚もちゃんと動くようになった。
今日中には基礎的なモデリングが終わりそう。

が、この後面取りやUV設定がまっているかと思うと。
一層の効率化の道を探ってゆきたいです。


2007年03月03日(土)23:44  パラメータワイアリング
機体がほぼ完成。
あとはコクピット内部をラフに造型して、着陸脚を修正して。

デザインについて、本当は余計なモールドは追加せず、クルマのようなツルピカ仕上げにしたかったけれど、今回は汚しの生成を検証する都合上、むしろいろいろ追加せざるを得ず残念。

しかしデザインが破綻しなくてよかった。
そして、やはり面への窪みの掘り込みは、どうしてもメッシュ割りを汚くするのが難点であり、作業効率も落ちるので根の深い課題だと思いました。

さてパラメータワイアリング。
今更何を、と思う方も多い事でしょう。
しかし今日初めて使ってみて、あっさり着陸脚が意図どおりの動きをして感激。
昔は頭を悩ませたメカの制御が、今ではこんなに簡単に実現できるとは。

いい時代になったものです。