先日、長年の謎だった日米開戦について調べました。
ぼくには日本がアメリカに喧嘩を売った理由が分かりませんでした。普通ならば、海の向こうのアメリカなど放置し、既に中国に足場を築いているのだから、その体制をより磐石にして、ソ連にプレッシャーをかけるのが理に適っているはずです。
中国やソ連の資源を用いて兵器を量産したり補給をする態勢が整えば、アメリカの態度にも変化が生じ、血みどろの戦争をする必要も無くなったかもしれません。
当時同盟国のドイツはソ連と火花を散らしていたわけだから、ドイツから見ても、そうして欲しかったはずです。
ところが日本はいきなり海の向こうのアメリカと戦争を始めました。
ドイツから見たら「この忙しい時にナニ明後日の方向に喧嘩売ってんの!?」と大層驚いた事でしょう。
で、実際調べて分かったのは
■アメリカが近年のイラクに対するのと同じようにネチネチと、日本が戦争を始めないではいられないようなイヤガラセ的な態度を取っていた事
■また日本は大勢として、過去の戦争での勝利体験に対する酔いが残っており、戦争を歓迎する空気が強かった事(大勢としてはアメリカの戦力を全然把握できておらず、ナメていたとも言えます)
アメリカが日本と戦いたがったのは理解できます。
当時のアメリカはヨーロッパから見れば、マイナーな田舎者集団です。
ここらで一発アメリカのすごさを世界に見せ付け、今後の他国間交渉を有利に運びたいところです。アメリカの考えている事は分かり易いです。
で、日本の方も分かりました。
戦争したら勝利して儲かると信じ込んでいる人間が大勢を占めているのだし、アメリカがチョロチョロ喧嘩を売るようなマネをしてくるのだから、やるしかありません。打倒鬼畜米英です。
しかし、日本の全ての人間がそこまでおめでたかったわけではありません。
海軍は現実的な判断が出来ており、半年なら互角に戦えると認識していたようです。
そこで電撃作戦を展開し、米国に一撃を加える事で、以降の交渉を有利に進められないか、と考えたようです。
そこまでは然程おかしくもなく、ひとつの考えとしてアリだったと思います。
しかし、その後の実戦に於いては、空母と戦艦の運用法や航空パイロットの扱い、そして陸/海軍の連携など、悉く成功とは反対の道を選択しました。
徴兵にしても、技術者や熟練工まで徴用してしまった為、以降の発動機は質の低いものしか作れなくなります。
本当は空母を用いた新しい海戦法を編み出すなど、日本にも色々良い部分はあったのです。
しかしそれらを用いる段で、何から何まで、見事な程にいい所を潰す方向を選択していたようです。
・・・・・・やはり謎です。
■いい発明やいい仕事をする個人や企業が存在する
■しかしそれを用いる側がとんでもない間抜けだったりする
■また組織が理性的でない「空気」に左右され過ぎる
これは今でもよく見かける、日本の組織固有の特徴である気がします。
・・・・わからん。
むしろ日本が「真に賢い国」になる日が来るのでしょうか。
もしそうなるとしたら、それはどのようなきっかけで?
依然として、ぼくの中で日本に対する謎は残ったままなのでした。